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新型車クエスターの内装とシャシ
UDトラックスが8月26日に発表した、アジア・アフリカ新興国市場向けの大型トラック『クエスター』。今回はその内装とシャシ、エンジンをご紹介します。

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UDマークを頂くブラックアウトされた特大ヘキサゴングリル、ボリュームたっぷりのバンパーにシャープな目つきのヘッドライトによる精悍で、日本車にして日本車離れしたデザインが魅力的なクエスター。
してその中身は?





●キャブ内
すでになんども紹介していますが、クエスターのキャブは幅2.5mと、日本よりも広いサイズです。日本の大型トラックは全幅2,490mmなので、たった10mmしか差がないように思えますが、キャブ幅はその数値よりも小さいことになります。
そのためキャブのアウターパネルを一部供用しているクオンと並べると、その恰幅の良さがわかります。

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クオンCWトラクタ中東向け輸出仕様車と、クエスターCWEトラクタ。
UDトラックスの広報写真同士をほぼ同じようなスケールに合わせた上で合成してみたもの。
アングルが全く異なるので参考にしかならないが、キャブのボリューム感の違いは表れている。
あなたならどちらがお好み?



一方、クエスターは道路整備がまだ進んでいない新興国、あるいは悪路走行の多い用途向けということもあって、シャシの最低地上高を高めに設定しています。この点は、キャブのフロア位置を高く設定している欧州車とはレイアウトが異なるところで、天地に厚みのあるバンパーが高めのシャシ最低地上高をうまく隠しつつ、欧州車的なルックスをみせることに成功しているのです。

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キャブへは3段のステップを介して乗り込む(キャビンフロアを勘定に入れれば4段)。
クオンに比べフロントオーバーハングが長く、ステップ幅があるため、足さばき性は良い。



キャブ内は、乗員が移動することを考慮しており、センターパネルがフラットで、かつセンターコンソールのないコンドルをベースとしたインパネデザインになっています。
メーターパネルは、クオンやコンドルとは全く異なったレイアウトになっており、左に速度計・右に回転計という配置は同じですが、半円二眼ではなく丸型二眼で、中央の多目的表示ディスプレイが大幅に拡大されています。
補助計器は燃料計と水温計の二基。JP09適合クオンではアドブルー残量計、燃料計、空気圧力計(前後各1)の四基ですが、これは排ガス規制やレギュレーションの違いによるものです。また、ステアリングホイールの形状もクオンとよく似ているけれども、実は異なっています。

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クエスターGWEトラクタの運転席。ちなみにハイルーフは立てるのでこういうアングルが撮影しやすい。
実はコンビネーションレバー配置もISO式で、ウインカーレバーはステアリングコラム左側にあり、前照灯の操作も兼ねている。
右は、圧縮解放式エンジンブレーキシステム(EEB、2段)とワイパーの操作用。
フロアはフルフラットではない。


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クエスターGWEトラクタの上下二段ベッド。キャブ前後長もクオンより長く、ベッド幅が広くなっている。


●シャシ
クエスターはシャシフレームを新開発しており、こちらも欧州車的になりました。その最たるポイントは、キャブより後ろのフレーム上面に、リベットの丸頭をまったく露出させない設計です。従来、タイで販売していた旧CWM車(ビッグサムに旧コンドルのワイドキャブを組み合わせたような大型トラック)では、クロスメンバーやアクスル周辺には丸頭が目立っていましたが、クエスターはそれが一掃されました。
トラックは上物を架装しなければ用を為さないクルマですが、その架装性が大幅に改善されたことになります。

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クエスターCWE6×4の裸シャシ。メインフレーム上面が完全にフラットになっている。
なお、6×4シャシのリヤアクスルにはハブリダクション装着車が設定されており、日本の民生用大型トラックとして初としている。
このリリース写真もハブリダクション装着車である。



●エンジン
クエスターにはエンジンは2機種設定されています。ちなみに従来タイで売られていたUD大型車はMD92型のみだったので、バリエーションが一挙に拡充されたことになります。
まず、現行型クオンにも搭載されている最新の10.8L直列6気筒エンジン・GH11型の、Euro-3仕様となる「GH11E」型です。最高出力・最大トルクは、370hp/1900rpm・1700Nm/1000-1400rpm、390hp/1900rpm・1800Nm/1000-1400rpm、420hp/1900rpm・2000Nm/1100-1400rpmの3種です。

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GH11E型エンジン。ボルボグループの次世代ユニットとして開発された最新エンジン。
GH11型はボルボD11型直6インタークーラーターボエンジンをベースとしているが、排ガス規制のゆるい“E”ではEGRクーラーがないなど補機類を変更しており、排ガス後処理装置も備わらない。
これは環境性能を軽視しているのではなく、現地で流通する燃料品質の問題である。
最新エンジンだけに優れた燃費性能を有しており、さらに日本でいう「燃費王」的な燃費トレーニング装置(新興国向けに簡素化された仕様という)の設定と、正規販売会社による適正で管理の行き届いた「純正整備」を組み合わせることで、CO2排出の削減(燃費軽減)や車両寿命の確保を提案しているのも特徴。



もう一つは、7.7L直列6気筒エンジンの「GH8E」型です。これは日本国内向けには設定されていないエンジンで、コンドルPKなどに搭載されているGH7型のストロークを135mmに延長したバリエーションです。タイ向けクエスターにはEuro-3仕様のみ設定されますが、欧州では同型エンジンのEuro-6仕様がボルボ車やルノートラックス車に搭載されるなど、こちらも最新のエンジンです。
最高出力・最大トルクは、220hp/2200rpm・850Nm/1100-1700rpm、250hp/2200rpm・950Nm/1100-1700rpm、280hp/2200rpm・1050Nm/1100-1700rpm、330hp/1900rpm・1200Nm/1200-1650rpmの4種です。

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GH8E型エンジン。こちらはUDトラックスが自主開発を進めていたエンジンだが、ボルボグループの次世代中型エンジンの地位を得るなど、優れた設計と高い性能を実現している。
補機類や排ガス後処理装置については、GH11E型と同様に簡素化されている。



なお、トランスミッションは全てマニュアル式で、6段、9段、12段が設定されています。

034.gif コマモANNEXより転載


⇒ トラック・特装車の業界誌「月刊コマーシャルモーター」編集記者のブログ


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by yukiyuki01010 | 2013-09-07 15:46 | トラックマガジン